「私、もうすぐ四十五歳になります、この五年間、翔太を育てるのに必死で、全く自分の事は後回しにして来ました、だから……」

「だから?」

私は思い切って自分の気持ちをぶつけてみた。

「自信が無いんです、真壁くんにがっかりされちゃうんじゃ無いかって」

「バカだな、静香は、俺だって同じように年食っているんだ」

「真壁くんはとても魅力的で、頼り甲斐があって、頼もしくて」

「おいおい、褒めすぎ」

「そんな事ありません、翔太も真壁くんは憧れの的です」

「静香、その真壁くんはいい加減やめようぜ、翔って呼んでくれ」

「急には無理です、徐々にいいですか」

「ああ、いいよ、さっきのことだけど、俺だって不安はあるよ」

「何の不安ですか」

「静香の中の俺は二十五歳で止まってる、その時から比べると体力も落ちてるし、静香が今の俺に抱かれて物足りないって感じないかって不安」
「まさかそんな事思いません」

「じゃあ、俺も思わない、試してみる?」