静香を引き寄せ抱きしめた。

五年振りのキスを試みたが交わされた。

「翔太を起こして来ます」

静香は俺の腕をすり抜け奥の寝室に向かった。

やっぱり俺は嫌われたのか。

そこへ翔太牙起きて来た。

「パパ、おはよう」

翔太は俺を目掛けて走って来て抱きついた。

「翔太、おはよう、ここから幼稚園までパパが送ってやる」

「本当」

「それじゃご迷惑かけます」

静香は透かさず言って来た。

「迷惑?自分の息子を送って行くのに迷惑なんかじゃない」

「でも……」

俺は自分は嫌われたのかと聞きたい気持ちをグッと堪えて支度を始めた。

翔太を幼稚園に送って、先生に挨拶をした。
「いつもお世話になっております、翔太の父の真壁翔と申します、訳あってまだ入籍していませんが、折を見て翔太は苗字が変わりますので、よろしくお願いします」

「わかりました、ご丁寧にありがとうございます」

そこに翔太の友達が翔太の元に集まって来た。

「翔太くんのパパ?」

「そうだよ」