一抹の不安が過ぎる、だからまともに真壁くんをまっすぐ見る事が出来ない。

「翔太、一人で寝られるよな」

「う?ん」

翔太は不安そうな表情を見せた。

透かさず静香が助け舟を出した。

「いきなりは無理です、私は翔太と一緒の部屋で構いませんから、おやすみなさい」

「翔太、パパにおやすみ言って」

翔太はいきなり元気になってニコニコし始めた。

「パパ、おやすみ」

「ああ、おやすみ」

そして翔太と静香は奥の寝室に入っていった。

マジかよ、今夜は静香を久しぶりに抱けると思ったのに……

待てよ、強引に連れて来てしまったが静香はあの男が好きなのか?

一度ゆっくり静香と話をしなければいけないと自分に言い聞かせた。

俺は不安で一睡も出来なかった。

白々と夜が明けてきて、俺は朝食を作る為、キッチンにいた。

そこに静香が起きて来た。

「おはようございます」

「おはよう、よく眠れたか」

「はい」


静香は俺と目を合わせようとしない。

俺はゆっくり静香に近づいた。