「う、う?ん」

真壁くんがゆっくりと目を開けた。

私はしゃがみこんで真壁くんと目線が同じ高さになっていた。

その瞬間、グッと引き寄せられた。

「やっと会えた、ずっと静香を抱きしめたかった」

「真壁くん」

「ハックション」

「ずっとここで寝ていたんですか、お帰りくださいと申し上げたはずです」

「だってこうでもしないと静香に会えないから」

「ハックション」

真壁くんは身体を摩って寒さを堪えていた。

「お風呂入って温まってください、風邪引きますよ」

私は真壁くんを部屋に招き入れた。

「お邪魔します」

真壁くんがお風呂に入っている間、私は朝食の支度を始めた。

時計の針は七時を指していた。

バスルームから出てきた真壁くんは、バスタオルを頭から被り、胸が露わになっていた。

鍛えられた大胸筋が目に止まり、恥ずかしくて顔を背けた。

「急いでワイシャツにアイロンかけますから、食事を召し上がってください」

「ありがとう」