不動産会社に興味がないのだ。

大学はアメリカに留学した、自分で言うのも烏滸がましいが、成績は優秀だ。

アメリカに彼女はいたが、あまりにも俺が一途な為振られた。

俺は恋愛イコール結婚だ。

特に倉田静香先輩はドストライクだった。

年齢差は気にならなかった。

すぐ結婚していつも一緒にいたいと強い想いが溢れていた。

歓迎会の最中、俺は静香先輩を誘った。

「先輩、美味しい飯食うところ知ってるんで、付き合ってくれませんか」

「でも……」

「いいから」

俺は強引に先輩の手を引っ張って、その場を後にした。

駐車場に停めておいた俺の車で目的地へ車を発進させた。

俺の隣に先輩が座っている。

でも、会場ではあんなに笑顔だったのに、全く別人のように真顔だ。

「静香先輩?大丈夫ですか?」

返事がない。

俺は車を停車させて、先輩の顔を覗き込んだ。

「静香先輩」

俺の呼びかけにびっくりした様子で、俺の顔を見つめた。

その表情が可愛くて、俺はつい、キスをした。