「うん、大丈夫よ、またパパに迷惑かけちゃって、ダメなママね」

「そんな事ないよ、大丈夫、ね、パパ」

「そうだな、何の問題もない」

でも、静香の表情は沈んでいた。
翔太を寝かせた後、静香は話があると言い出した。

「真壁さん、私はあなたの妻でいる事に自信がありません」

「何を言い出すのかと思ったら、何にも問題ないよ」

「お仕事が忙しくて、徹夜状態なのに、食事の差し入れもせず、カップ麺ばかり食べさせてしまい、
私がマンションにいるから、ゆっくり身体を休められなくて申し訳ないです」

「誰がそんな事言ったの？」

静香は黙っていた。

大体の察しはついていた。

「金山の言う事は気にしなくてもいいよ、忙しくて徹夜はどこの社長も一緒だし、会社に寝泊まりするのも俺の勝手だし、カップ麺は好きだから食べているんだよ」

「私、やっぱりアパート借ります、働いてお金は返します」

「静香、そんなに俺は頼りにならないのかなあ」