【別れ】


 (こんなルールに縛られた所から逃れて、君はあの子の元へ行ってあげなさい…それが…あの子の幸せになるのなら…僕はなんだってするさ)

そう大神使は心の中で呟いた

「遷神様…遷神様ぁ…!!!俺達もいつかはいつかは!!!遷神様の元へ参ります!!だからそれまで‥それ、ま…」

遷神の信者であろう者達は泣きながらに叫ぶ

だがその声も束の間に消えてしまった。

警備に当たっていた天警軍に取り押さえられ、抵抗するも力尽き気絶してしまったのだろう。

そんな信者達を横目に遷神は言った。

「いつかは?何を言っている。永遠のさよならの間違いじゃないのか?」

遷神は突き放すように強い言葉を投げかける

そして最後に小さな声でこう言った

「‥じゃあな。愛してるぞ…お前ら。」

そう言い少し早歩きで刑場への道のりを進む

「ほんとに最後の言葉あれだけでよかったの?」

大神使がそう言って遷神の顔をのぞき込んだ

「あぁ。構わない、早く行くぞ」

遷神の顔は今まで以上に険しく、辛そうであった