時計を見ると、朝の六時だった。

仕事から戻って眠りについたばかりの時間だ。

「麻生さん、今日も頑張りましょう」

「そうだな」

友梨ちゃんはあゆみとは真逆の性格だなと思い、思わず笑みが溢れた。

ヒカルにはお似合いかもしれないと思った。

あゆみの妊婦生活は順調に進んでいた。

つわりが酷く、横になっている日が多くなった。

「あゆみ、ただいま、大丈夫か」

俺は店から戻るとあゆみの寝室を覗いて声をかけた。

「凌、お帰りなさい、お疲れ様でした」

「友梨ちゃん、今日も頑張ってくれていたぞ」

「そうですか、今度何かの形でお礼をしたいです」

「そうだな,ボーナスでも出すか」

「そうですね、凌にお任せします、経営者としてホストクラブを大きくした経験者ですから」

「そう言えば、友梨ちゃんにヒカルを紹介してと頼まれて、友梨ちゃんの気持ちを伝えたら、ヒカルの反応は満更でもなかったよ」

あゆみは満面の笑みを浮かべていた。

「お似合いかもしれませんね」

「だろう?」

あゆみは急に目にいっぱいの涙が溢れた。

「あゆみ、どうした?」

「こうして、ゆっくり凌とおしゃべり出来て嬉しくて」

あゆみは嬉し涙を浮かべていた。