「おめでとうございます、二ヶ月目に入ったところです」

「マジですか」

俺は椅子から立ち上がり、身体いっぱいに喜びを表現した。

「やったな、あゆみ」

「はい」
「これからが大変ですので、安定期に入るまでは、十分に気をつけてください」

「わかりました」

「お仕事はされていますか」

「はい」

「そうですか、無理はなさらないように、なるべく身体を休めるようにしてください、流産の危険は大きいですから」

「わかりました」

マンションに戻ると、俺はあゆみに自分の考えを伝えた。

「あゆみ、この日のために俺はホストを辞めた、だから今度こそ俺達の子供をこの世に迎えるために店は俺に任せて貰えないか?」

「凌」

あゆみはじっと考えていた。
俺の接客にヤキモチを妬いたあゆみは、俺には店を任せられないと思っているだろう。

でも店も大事だが、俺達の子供の方がもっと大切だ。

あゆみはどう考えているのだろうか、あゆみの答えを待った。