「私の為に一生懸命な凌に、私は何もしてあげられなくて……」

俺は堪らずあゆみを抱き寄せた。

「あゆみは俺に新たな人生をくれた、愛する事に希望を無くし、仕事だけと思っていた矢先に余命宣告されて、夢も希望もなくしていた俺の目の前にあゆみは現れたんだよ」

「私に取っても凌は、仕事も恋人もなくて、このまま人生終わっていくのかなって思っていた矢先に現れた白馬の王子様です」

「白馬の王子様は大袈裟だよ」

「今回だって、ホスト辞めてまでも私の夢の為に頑張ってくれたのに、私はヤキモチ妬いて恥ずかしいです」

「めっちゃ嬉しいよ、今晩は寝かせないからな」

あゆみはちょっと困った表情を見せた。

「どうした?」」

「あのう、生理が遅れてて、もしかして出来たかなって、だから様子見たいんです」

「えっ?マジ?」

「だから、今日も寝室は別でお願いします」

俺は嬉しいような悲しいような複雑な心境だった。

そしてしばらくして二人で産婦人科に向かった。