「そういえば、今日はお店は休みですか」

「凌にお願いしたの、昨日なんかホスト時代のお客さんが列を作って、おかげさまで大盛況だったんだよ」

「そうですか」

「凌の接客って初めて目の当たりにして、凄いなあって思った、でも……」

「でもなんですか」

あゆみはしばらく黙ったままだった。

「なんでもない、遅れるといけないから早く行って、私と一緒のところ見られたらヤキモチ妬いちゃうよ、そのお客さんはヒカルくんが大好きなんだから」

「はい、それじゃまた」
ヒカルはその場を後にした。

俺と違ってヒカルは感が鋭い奴だ、あゆみの悩みをいち早く見抜いていた。

俺は仕事を終え、あゆみが待つマンションへ向かった。

「あゆみ、ただいま」

「お帰りなさい、今日もお願いしてしまってすみませんでした」

「全然大丈夫だよ」

俺は友梨ちゃんのおめでたの話をあゆみに振ってみた。

「あゆみ、もしかして具合悪いのって子供出来たのかな」

「えっ?違います」