「わかりました、一緒にいましょうね」

「それと、今晩も頑張るぞ」
俺とあゆみはお互いを求めあった。

そしてオープンの日を迎えた。

俺の人気は大したものだと自分でびっくりしていた。

俺のホスト時代の常連客は列を作って並んだ。

「凌、おめでとう、会える日を待っていたわよ、毎日来るわね」

「ありがとうございます、よろしくお願いします」

「あゆみさん、麻生さんの人気凄いですね」

「そうだね」

この時俺はあゆみの気持ちに全く気づけなかった。

場所は違えど、売り上げを上げるために俺は必死だった。

ホストの接客がまともに出てしまった。
俺がホストだったことはあゆみは知っていたが、俺の接客を目の当たりにしてヤキモチを妬いたのだ。

あゆみは気分が悪くなったと先に帰った。

友梨ちゃんから事の事情を聞いてあゆみが心配だったが、閉店まで仕事をして、あゆみが待つマンションへ急いだ。

あゆみは夕食の支度をして待っていてくれた。

俺は急いでドアを開け「あゆみ、あゆみ」と姿を探した。