俺の全財産をあゆみに託したかったのだ。

「俺の妻として暮らして欲しい」

俺の言葉にあゆみの返事は貰えなかった。
しかし、俺は自分の気持ちを押し通した。
なぜならあゆみの俺に対する気持ちに,疑いは感じられなかった。
しかし、メグの事が脳裏を掠め、心配がないとは言い切れなかった。

俺はあゆみに指輪を買った。

「お気持ちだけで十分ですから」

と断られたが、俺は指輪をあゆみの左手の薬指にはめた。

あゆみは目に一杯の涙を浮かべ、喜んでくれた。
その姿に俺は心が熱くなるのを感じた。
そしてあゆみを抱きたいと心から思った。
あゆみとの何気ない日々の生活で、俺は自分の気持ちが押さえきれず、あゆみにキスをした。
あゆみはびっくりしたようで、戸惑いを隠せない様子だった。

「ごめん、気持ちを押さえきれなかった、でもいい加減な気持ちじゃないから」

それから俺はあゆみに益々惹かれていった。

俺は契約結婚を口実に、あゆみと入籍した。
ホストである事を隠したまま……