あゆみの望みを残された人生で成し遂げなければならない。

先生の診察は順調だとの事だった。

「このまま、お薬を続けて、再発防止に頑張りましょう」

「はい」

「記憶障害はその後如何ですか」

「大丈夫です」

「そうですか、それは良かったですね」

それから薬を貰いマンションへ戻った。

俺は蘭との事をどうあゆみに話したらいいか迷っていた。
「あゆみ、ヒカルが言ってた蘭のことだけど、特別な関係って言っても男女の関係はないからな、俺が店をオープンさせた時に世話になって、あゆみのこともちゃんと話してあるんだ」

「そうですか」

「フラワーアレンジメント蘭の女社長、真壁 蘭子なんだけど知らないかな」

「真壁 蘭子さん、知ってますフラワーアレンジメント蘭の社長さんですよね」

「そうそう、その女社長」

「お仕事のことで会っていたんですか」

「あっ、うん」

俺は答えに詰まった、この時あゆみの納得いかない表情に気づく事が出来なかった。