「じゃあ、今更なんで蘭子さんと会っていたんですか」

「それは……」

まさかあゆみに店をプレゼントするから相談にのって貰っていたとは今の時点で言えない。

「それとも新しいホストクラブオープンの為誘っていたんですか?」

「違うよ」

「麻生さん、蘭子さんとは特別な関係でしたよね」

「おい、ヒカル」

「あゆみさんには知られちゃまずいんですか」

「特別な関係って誤解される様な言い方するなよ、大変な時に世話になった恩人だ」

ヒカルはあゆみの手を握って「麻生さん、本当の事を話してくれるまで、あゆみさんは俺が預かります」そう言ってあゆみを連れて行こうとした。
俺はヒカルの手からあゆみを奪い取り、自分の背中に回した。

「あゆみは俺の妻だ、あゆみに対して何も疾しいことはしていない、さっさと仕事に行け」

この時俺の背中にあゆみは頬をつけた。

ヒカルは仕方なく仕事に向かった。

俺は背中に回したあゆみの方に振り返り、引き寄せて抱きしめた。