「今は聞かない、仕事中でしょ、戻って」

「帰ったら話をしよう」

メグは足早に俺の元を去った。

それからすれ違いの日々が続き、言い訳を聞いて貰う時間は取れなかった。

そして程なくしてメグは出て行った。
俺にキスを残して……
メグとはその後連絡が取れず、俺は振られた。
自分が悪いのはわかっているが、黙って出て行ったメグを許す事が出来ずにいた。
俺は自分の店を持つと言う夢があった。
25歳までに夢を叶えたい、俺はその事に集中した。


そんな俺に神は過酷な試練を与えた。
何日も頭痛が治らない、時々吐き気も起き、目も霞む。
俺は病院を訪れた。

「先生、はっきり言って貰えますか、俺の人生なんで」

「脳腫瘍が発見されました、手術で生存率は格段に上がります」

「手術しないと後どれくらいですか」

「腫瘍が良性か悪性かでなんとも言えませんが、2年くらいかと……」

「薬でお願いします、店、休めないんで」

「わかりました」

俺は2年で店を軌道に乗せると決意した。