「頭痛が酷いのですが……」


「ではお薬を処方致しますので、服用してください」

「ありがとうございました」

マンションに戻り、俺は横になった。
そして夢を見た。
俺があゆみに別れを告げている様子が、夢とは思えないくらいにはっきりと。

目が覚めた時、俺はびっしょりと汗をかいていた。
あれば夢じゃない、俺はあゆみを手放したんだ。
何故だ。

「凌、汗がすごいですよ、今、タオル持って来ますね」
「あゆみ」
俺はあゆみを抱きしめた。

そしてキスをした。
俺はあゆみに問いただした。

「あゆみ、本当の事を教えてくれ、俺はあゆみとずっと一緒にいたか?」

「一緒にいてくれましたよ」

「記憶が戻ってくればわかる事だ、俺は本当のことが知りたい」

「今一緒にいるんですから、あまり気にしない方がいいと思いますよ」

「あゆみの本当の気持ちが知りたいんだ」

俺は、こんなに迷惑かけて、大変な思いをしてまでも、俺と居て幸せなのか不思議だった。
その時あゆみは口を開いた。