メグと暮らし始めた。
俺は仕事の関係で、メグとすれ違いの生活を送る事となった。

メグには俺の仕事は夜の店をやっていると説明した。
ホストであることは話していない。
何故なら、メグの母親がホストに騙されて、大変な思いをした経験があると、聞かされていたからだ。

メグは俺とのすれ違いの生活に不満を抱き始めていた。

寂しさからか、友達に誘われて俺の店にやってきた。
神の悪戯か、偶然かこともあろうか、俺が接客に選ばれた。

「いらっしゃいませ、麻生 凌と申します、楽しいひとときをお約束致します」

「凌!」

「メグ」

俺は驚きを隠せなかった。
何が起きたのか、すぐに現実を受け止める事が出来なかった。

「私、帰る」

「メグ!」

メグは店を飛び出した。
未成年でホストクラブへの出入りは問題があるが、今は目の前の俺の嘘がバレた事の方が重要だった。

「メグ、待ってくれ」

「凌の仕事はホストだったの?私を騙していたの?」

「そうじゃない、聞いてくれ」