「待って」

「今、俺の事大好きって言ってくれたのは嘘か?」

「嘘じゃないです、これ以上はドキドキしちゃうとまた、お腹痛くなっちゃうから」

「我慢出来ねえ、俺の身体は何回もあゆみを抱いてるんだろうが、俺は覚えてない、
気持ちは初めてだから、すごくあゆみを求めて止められない」



「麻生さん」

「ずっと気になっていたんだが、ずっとその呼び方?」

「はい」

「凌でいいよ」

「凌」

「あゆみ、やべ、これじゃあ、また止められなくなる、シャワー浴びてくるな、クールダウンしないと寝られねえから」

それから俺はしばらくして仕事に復帰した。
しかし常連客の名前をまったく思い出せない。
俺は常連客と店外デートを増やした。

その頃俺は自分の気持ちがマックスにならない為に、あゆみを抱きしめたりキスしたりしなくなった。
あゆみは俺のあゆみへの気持ちが冷めたと誤解した。

「凌、好きな人が出来たなら言ってくださいね」

「好きな人はあゆみだよ」

「嘘!」

「嘘じゃない」