俺は自分の気持ちのままの行動に出た。
あゆみのベッドに腰を下ろし、あゆみの顎を上に向かせ、唇に触れた。

「俺、今、あゆみが好きになった、俺の側にいてくれ」

あゆみは俺の言葉に、涙が頬を伝わった。
可愛くて堪らない。
こんな気持ちになったのは初めてだ。
いや、多分、記憶には無いが、あゆみとはじめて会った時も、ドキドキしたんだろう。
ここが病院じゃなかったら俺は、迷わずあゆみを抱いていた。

あゆみは退院出来た。
先生から子宮の収縮には十分気をつけてとの注意があった。
なるべく夫婦の営みは控えるようにとの事だった。
マジか、マンションに戻ったらすぐにでも抱きしめたいのに、抱きしめると我慢出来なくなる。
でも、マンションに戻り、俺はあゆみを抱きしめずには居られなかった。


「麻生さん、無理しなくても大丈夫ですよ」

「俺は無理なんかしてねえ」