俺ははじめはなんの感情も抱かなかったのに好きになったってことか、それとも初めから好きで、契約は口実だったのか。

あゆみは俺の事どう思って一緒にいたんだろうか。
そんな矢先、あゆみがお腹が痛いと訴えた。

尋常では無い痛みに俺は救急車を呼んだ。
あゆみはしばらく入院する事になった。

「奥様は妊娠されており、切迫流産しかかりました、しばらく安静にして入院してください」

「妊娠?」

あゆみが妊娠しているのか、俺の子供なのか?
俺はマンションに戻り、あゆみのバッグの中の母子手帳を見つけた。
それと一緒に手帳もあり、俺とのエピソードが綴られていた。

『麻生さんは契約結婚は口実で、私を愛していると言ってくれた、一目惚れしたと。そして、二人の子供が欲しいとも言ってくれた。私は何もかもが初めてで、不安だらけだった、でも麻生さんはゆっくり進んでいけばいいかなって、優しくリードしてくれた、妊娠がわかった時もすごく喜んでくれて、一緒に育てようと言ってくれた。