梨花の処置が終わり、安藤は待合室で待機していた俺の元にやってきた。
「どう言うことだ」

「俺が聞きたい」

「梨花ちゃんは夜、姿が見えなくなった、お前に会いに行ったんだろう」

「俺に……」

「何があった」

「俺のマンションの裏手で倒れていたんだ」

「お前、梨花ちゃんを放っておいてどう言うつもりだ、お前に会えなくて寂しいって言ってたぞ、自分はお荷物だとも言っていた」

「梨花がそんな事を……」

「お前に会えないと、食事も残す、全く元気がなくなる、お前は梨花ちゃんにとって薬なんだよ、ちゃんと会いにこい」

「分かった」

俺はもしやと嫌な予感が脳裏を掠めた。

それは瑞穂が俺に抱きついていた瞬間を目視したんじゃないのか。

瑞穂とよりを戻したから自分に会いにこないんだと錯覚したのか。

ショックを受けて、倒れたとも考えられる。

それはしばらくして梨花の意識が戻り、俺に対する態度で明らかになった。

梨花の意識が戻ったと安藤から連絡を受けて病院へ駆けつけた。