俺は手術がいつもより多く入って、病院を出るときには疲れ果てていた。

仮眠をとってから梨花の病院へ向かうつもりだったが、気がつくと朝になっていた。

「やべえ、今日も梨花に会いに行けなかった」

そんなことが一週間も続いたある日、朝早く安藤から連絡が入った。

「最上、何やってるんだ」

いきなり安藤は怒鳴り声を上げた。

「怒鳴るな」

「お前、どうしてこないんだ、もう一週間だぞ」

「ああ、わかっている」

「お前な、同じ過ちを繰り返すのかよ」

「手術が立て続けにあって、マンションに戻り、仮眠をとってから梨花に会いに行こうって思って、でも気がつくと朝になっているんだ」

「梨花ちゃんへの愛情が足りないんだよ、お前は」

「お前の元にいるから安心しているんだろうな」

「俺が梨花ちゃんをもらうと言いたいが、梨花ちゃんはお前を愛してる、お前じゃなきゃ駄目なんだよ」

「分かった、今日は行くよ」
そしてスマホを切った。

俺は梨花に甘えているんだな。

「梨花ちゃん、具合はどう?」