俺ははじめて自分の気持ちを言葉にした。

言葉にすると、胸が熱くなる、梨花への気持ちがより一層はっきりした。

いや、はじめて出会った時から惹かれていたのかもしれない。

自分の気持ちに気づかないなんて、俺はなんて鈍感なんだ。

瑞穂はもう答えが出たと分かったようだった。

「なんでもない、丈一郎さん、梨花さんと幸せになってね」

「ああ、瑞穂もいい男見つけろよ」

俺はスマホを切った。

しかし瑞穂はこのまま引き下がることはなかった。

俺は全く気づかなかった。

次は梨花の元彼だな。

俺は三葉ホテル御曹司の三葉純一を調べた。

そして三葉ホテル本社に向かった。

社長室に通されて、三葉純一と向かい合った。

「わざわざお越しになってなんの御用でしょうか」

「体調はもう大丈夫なのか」

「はい、おかげさまで、梨花さんがくれた解熱剤とお粥のおかげで治りました」

「そうか、それはよかった」

「梨花さんはお元気にしていますでしょうか」

「梨花は入院した」