「もしかして貧血が悪化したのか」

「病状をある程度把握していたのか」

「最上に俺が主治医になる旨を伝えたら拒否されたからな」

「分かっていたならなぜ早く手を打たなかった」

「最上は聞く耳持たなかったんだよ、それにあの時は足の方がやばい状態だったからな」

「じゃ、転院の手続きをとる、よろしく頼むよ」

そして日下部はスマホを切った。

「聞いての通りだ、いいな、お前の奥さんは安藤の病院へ転院させる」

「分かった、命に関わることはないよな」

「多分な、とにかく検査しないと分からない」

そして梨花はまもなく安藤の病院へ転院した。

俺は梨花が転院したと同時に忙しくなった。

不安はあるが安藤に任せるより他に手立てはなかった。

梨花は安藤から説明を受けて入院を受け入れた。

俺が全く見舞いに行かない旨を梨花は心配していた。

「あのう、最上さんは忙しいんですか」

私は最上さんの近況を知りたかった。