俺としたことがありえない慌てようだと自分の行動がおかしくなって笑いが込み上げてきた。

梨花のお気に入りの場所があったな。

俺はその場所に行ってみた。

マンションの裏にある公園だ。

梨花はブランコでぽつんと座っていた。

「梨花」

梨花は俺を確認すると勢いよく走り出した。

俺は溢れる思いが込み上げて、梨花を抱きしめた。

梨花も俺の背中に手を回して俺の胸に顔を埋めて泣いていた。

「最上さんのバカ、なんでもっと早く探しにきてくれなかったの」

「お前が勝手に出て行ったんだろう、俺は去るものは追わずって言っておいたはずだがな」

「でも、私を探してくれたんですよね」

「しょうがねえよ、惚れたんだからな、梨花に」

「本当?もう一回言ってください」

「残念でした、もう言わねえ、聞き逃したのならお前が悪い」

「聞き逃してないけど……」

梨花は俺にもたれかかり動かなくなった。

「おい、梨花、しっかりしろ」

俺は脈を測り、救急車を呼んだ。

梨花は意識を失った。