私は倒れそうになったところを純一さんが助けてくれた。

「危ない、大丈夫?」

「すみません、お腹が空いて」

「じゃあ、まず、なんか食べようか」

彼はクスクス笑いながら私を抱えて「すぐそこに車停めてあるから、頑張れる?」と、
声をかけた。

「はい」

見ず知らずの男性の車に乗るなんて、本当は避けたいところだが、今の私には助けてもらう選択肢しかなかった。

彼は「ちょっと待っててね」と私に声をかけて車から降りた。

しばらくして、コンビニの袋を下げて戻ってきた。

「おにぎりとサンドイッチどっちがいい」

「おにぎりを頂きます」

私はおにぎりにかぶりついた。

勢いよく頬張ったため、むせてしまった。

「はい、お茶もどうぞ」

私はペットボトルのお茶を喉に流し込んだ。

「死ぬかと思った」

彼は声高らかに笑い出した。

「ごめん、ごめん、おもしろいね」

「別におもしろくなんかありません」

「自己紹介まだだったよね、僕は三葉純一、君の名前は?」