そして、処方された薬を飲むと、ソファで眠ってしまった。

目が覚めると、最上さんがわたしの顔を覗き込んでいた。

「きゃっ、びっくりした」

「薬飲んだのか」

「はい、そうしたらなんか眠たくなって、すみません、食事の用意はしていません」

「別に構わない、薬が効いたんだろ」

「えっ?」

「睡眠薬入れといたからな」

「嘘!」

「ほんと、梨花が眠っている間にはじめてを頂こうかと思ってな」

私は頬を膨らませて怒った表情を見せた。
「そんなに俺にキスして欲しいのか」

「違います」

「なんだ、違うのか」

「あのう、今日病院で立花瑞穂さんに会いました」

「立花瑞穂?ああ患者として通ってるみたいだな」

「最上さんの患者さんですか」

「いや、違う、それがどうかしたのか」

「よりを戻したいって言ってました」

「それで」

「その旨を伝えて欲しいって言ってました」

「お前、俺の妻だと言ったのか」

「言えませんでした」

「どうしてだ」