そう言って最上さんはニッコリ微笑んだ。

心臓がドクンっと跳ね上がった。

言葉で強気なこと言っても、私は最上さんが好き、徐々にはじめてを捧げるなら最上さんがいいと思うようになっていた。

会計は最上さんが済ませてくれていたから、タクシーを呼んで帰るだけだった。

そこに、一人の女性が声をかけてきた。

「あのう、先ほど最上先生とお話されていましたが、どの様なご関係ですか」

急に声をかけられて、しかも最上さんとの関係を聞かれてすぐには答えられなかった。

「ごめんなさい、急で驚かれましたよね、私は以前最上先生にお世話になった立花瑞穂と申します」

えっ、立花瑞穂さん。

最上さんの元彼女だ。

やっぱり寄りを戻そうとやってきたと言う噂は本当だったんだ。

どうしよう、なんて答えればいいの?

「あ、足首を骨折して、最上さん、じゃなくて最上先生に手術して頂いたんです」

「そうですか、担当医師と患者さんの関係ですね」

「は、はい、そうです」