「ああ、でもどうしても抱いて欲しいなら、抱いてやっても構わないぞ」

「結構です、こちらからお断りします」

全く、なんなのこの人、これじゃ誰も着いてこないのは当たり前だよね。

私はこのままじゃ、ずっと一人寂しく人生を終えることになっちゃうから、契約でもいいから結婚したほうがいいかもしれないと思った。

それにとにかくこの骨折を治さないと、どうすることも出来ない。

「あのう、先生の名前教えてください、私は鶴巻梨花です」

「俺は最上丈一郎だ」

えっ、最上って、先生のお父さんってこの病院の医院長?

「先生、先生はこの病院を将来継ぐんですか」

「そうだ、梨花は将来医院長夫人だな」

「私に務まりますか」
「どうかな、わかんねえな、梨花がどんな女かまだ分からないからな」

「それなのに、プロポーズしたんですか」

「プロポーズ?俺達は契約結婚だ、忘れるな」

分かってます、なんなの?本当に契約上の妻だけ欲しいんだ。

私にだって夢はある。