そんなことになっているとは思いもよらず、その頃の最上は自分中心の

生活を優先していた。

俺は瑞穂が寂しい思いをしているなど想像も出来ずにいた。

仕事から帰ると、瑞穂が作ってくれた食事をたべ、シャワーを浴びて寝る、そんな生活だった。

瑞穂は何か話をしたいようだったが、俺が聞く耳を持たなかった。

話しかけるなオーラを目一杯出していた。

瑞穂は気遣いが出来る女だ、そんな俺の性格も分かっていた。
そして、病院の外線で瑞穂から別れを告げられた。

安藤と浮気したことは安藤から聞かされた。

「瑞穂ちゃんと別れたんだって?」

「なんでお前が知ってるんだ」

「瑞穂ちゃんと寝たのが俺だからだよ」

「てめえ」

俺は安藤の胸ぐらを掴み殴った。

「痛え、いきなり殴るかな、瑞穂ちゃんを放っておいたのは誰だよ」

「それが他の男と寝ていい理由にはならない」

「寂しい思いをさせておいて勝手なこと言うんじゃない」

「もう、俺には関係ないことだ、瑞穂はお前を選んだんだからな」