結婚しても、この生活は変わらない。

そんな矢先、丈一郎さんの医学部時代の同期である安藤さんが訪ねて来た。

「こんな時間まで奴は仕事?」

「はい、あのう……」

「あっ、失礼、俺は最上と医学部の同期の安藤英人、よろしくね」

「私は丈一郎とお付き合いしています立花瑞穂です」

「最上と結婚するの?」

「はい」

この時私は迷っている心のうちを安藤さんに見抜かれていた。

「そうなんだ、でもどうしようかなって思ってるって顔に書いてあるけど」

「えっ」

私は自分の顔を手で触った。

「うっそ、瑞穂ちゃん、可愛いね」

「飯、まだだろ?どうせ、最上は午前様なんだろう?一緒に食いに行こうよ」

「でも……」

この時、丈一郎さんとは真逆の安藤さんに心惹かれはじめていた。

それから毎日、安藤さんはマンションにやってきて食事に付き合ってくれた。

私の寂しい気持ちを埋めてくれたのが安藤さんだった。

そして、男女が一緒に時間を過ごせば、当然の如く、見つめ合い、キスをして、