「おい、そんなに俺にキスして欲しいのか」
梨花、これ以上お前にキスすると止められなくなる。
最上さんは私のおでこにデコピンをくらわした。
「痛?い」
「朝からキモい事するからだろう」
「えっ」
「お前はキス魔か」
「ごめんなさい、夢見てたから」
「何?俺はお前の夢にまで出てくるのか、相当惚れ込んでるな、抱いて欲しいなら今晩抱いてやるぞ」
「結構です」
キスならいいけどセックスなんて怖くて無理無理。
「何をぶつぶつ言ってるんだ」
「なんでもありません、夢に最上さんが出て来たなんて一言も言ってません」
最上さんは急に真顔になり、私を引き寄せ抱きしめた。
「俺以外の男の夢なんか見るんじゃない、病院へ行ってくる」
「はい」
「今日こそタクシーで病院へ来い、レントゲンを撮る、いいか、帰りもタクシー使うんだぞ、分かったな」
「はい」
ずっと真顔で言われて、はいと返事しか出来なかった。
二時の予約で病院へ向かうと、受付に最上さんが仁王立ちしていた。