必死に説得してるんだからな、去る者は追わない主義じゃ無かったのか」

「梨花は俺が必要なんだ」

「へえ、必要ねえ」

「それに、梨花が俺を好きだって言ったんだ、俺は別に」

「梨花ちゃん、最上はやめて俺にしなよ、主治医交代、どう?」

「駄目に決まってるだろ、お前は内科医なんだからな」

「借金は俺が最上に返す、だから梨花ちゃんは何も心配しないで、最上と別れて俺のものになれよ」

「駄目だ」

「どうしてだよ、元彼女が戻って来たんだろ、最上は彼女とやり直せよ」

えっ、どうしよう。

このままじゃ、最上さんの側にいられなくなっちゃう。

最上さん、まさかそうしようなんて言わないですよね。

「梨花はどうなんだ、俺の事好きなんだよな、俺の側にいれば借金無しにしてやる、どうする?」

私は最上さんの側にいたい、大好きだから。でも最上さんはどうなんだろう。

俺の側にいれば借金無しにしてやるって言ったよね。

私は自分の気持ちを伝えようとした時、最上さんが先に口を開いた。