私の戸惑っている様子で、もうバレバレだったみたいで、安藤さんはスマホを手に電話をかけ始めた。

『あ、俺、、久しぶりだな、元気だったか』

『英人か、今忙しいんだ、切るぞ』

『梨花ちゃんの足首、相当やばいぞ』

嘘、誰に電話してるの?

『梨花はそこにいるのか』

『ああ、主治医の最上先生は嫌いだってよ』

『はあ?』

『俺が主治医代わろうか』

『お前は内科医だろ。今から迎えに行く、お前の病院にいるのか』

『いや、俺のマンション』

『なんで、梨花はお前のマンションにいるんだ』

『俺のベッドで寝てるよ』

えっ、そんな言い方したら誤解されちゃう。

『今、迎えに行く、お前の住所変わってないな』

『待ってるよ』

安藤さんはスマホを切った。

「安藤さん、そんな言い方したら誤解されちゃいます」

「誰に?」

「最上さんに」

「最上と同じ苗字だけど、どんな関係なの?」

「主治医と患者です」

「へえ、それだけ?」

もう、どうしよう、なんて言えばいいの?