「しょうがねえだろ、愛が冷めたんだからな、いや、俺だけのぼせ上がってたのかもしれないな」
梨花は婚姻届にサインし始めた。
「私は最上さんが大好きです、絶対に最上さんへの愛は冷めたりしません」
「へえ、梨花は俺が大好きなのか」
「あのう、今の言葉聞かなかった事にしてください」
「もう遅い、しっかり聞いたぞ」
どうしよう、最上さんは何かを企んでいるかのような笑みを浮かべた。
「よし、今晩梨花は俺に抱かれる覚悟をしておけ、俺を大好きなんだろ」
私は大きなため息をついた。
もう、どうしよう、大好きだけど、抱かれたいなんて一言も言ってないのに……
はじめてだから怖いのに……
「そうだ、今日、病院へ来い、足首のレントゲンを撮る、いいな」
「はい」
最上さんは病院へ向かった。
ああ、告白しちゃった、でも最上さんは彼女をまだ好きなんだ、きっと。
私は午後二時の予約で病院へ向かった。
婚約が発表されて、私は病院中で注目の的になった。