寝室から出てくると、最上さんは既にシャワーを浴びて、コーヒーを飲んでいた。

「梨花もコーヒー飲むか」

「はい」

「シャワー浴びて来い」

私は追い立てられるようにシャワールームに入った。

鏡に映った私の胸に赤いキスマークが付いていた。

昨夜の最上さんとの抱擁が脳裏を掠めてドキドキして来た自分を抑えることが出来なかった。

私はシャワールームから出て来て、キスマークをどうすればいいか聞いてみた。

「最上さん、キスマークどうすれば消えますか」

「しばらく消えねえな、またつけて欲しいのか」

「違います」

「やっといつもの梨花に戻ったな」

最上さんは口角を上げて微笑んだ。

私は思い切って彼女の事を聞いて見た。
「最上さん、どうして彼女と結婚しなかったんですか」

「また、その話か」

「だって、どうしても気になるんです、もっと最上さんの事を知りたいんです、私はずっと一緒にいたいって思うけど、最上さんはどう思っているのかなって、彼女さんみたいに、