「羨ましいです、いつもこんな美味しいお弁当を食べることが出来て」
「ここにいれば、ずっと食べられるぞ」

俺はさっきから何を言っているんだ。

俺らしくない事を言って、いつもの俺はどこに行ったんだ。

「そうですね、でも借金早く返さないといけないですもんね」

この時、俺の中で借金はどうでもよかった。

いや、病院の支払いは金を貸したんじゃなく俺が支払った、梨花は俺の妻だと言う思いが溢れていた。

朝を迎えて私はリビングへ行くと、既に最上さんは仕事に出かけた後だった。

テーブルの上には私に宛てたメモが置いてあった。

『おはよう、梨花、仕事に行ってくる、また昼飯はコンシェルジュ佐々木に弁当を頼んで置いた、夕飯は俺が買って来るから、ゆっくりしていろ』

なんか急に優しくしてくれて、どうしたんだろうと不思議に思った。

確かにお弁当は美味しいけれど、毎日って大変な出費だよね。

冷蔵庫を開けてみる、何度見ても何もない。

キッチンの戸棚を開けてみるとパスタがあった。