「あ、そうだった、でも、何年かかるか分からないですけど、ちゃんと返します」

「別に返さなくてもいい」

「えっ」

「お前はずっと俺の側にいろ」

最上さんはじっと私を見つめて、顎をくいっと上げると私の唇を奪った。

私は抵抗出来ずに最上さんのキスを受け入れた。

唇が離れた瞬間、最上さんは私を見つめて「一生こき使ってやる」と口角を上げてニヤッと微笑んだ。

私は頬を膨らまして怒った表情を見せた。

もう、キスでドキッとした私が浅はかだった、やっぱりやな奴。

「へえ、怒った顔も可愛いな」

可愛いって言葉に恥ずかしくなって俯いた。

「飯、買ってきたぞ、食おうぜ、腹減ったよ」

あっ、そうだった、お弁当の代金払わないと……

「あのう、お昼のお弁当の支払いしないと……」

「いいよ、金ないんだろう」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

なんだ、優しいところもあるんだ。

次の瞬間最上さんは信じられない言葉を発した。