どうしよう、ドキドキする。

まるで、体中が心臓になったみたい。


ちらっとるか様を見ると、目を瞑っている。

眠っているのかな。

不思議な感じ。

神様もこうして、眠ったりするのね。


私はるか様が、動かなくなるのを見計らって、布団から出た。

ごめんなさいね。

だけどどうしてももう、日照りを解消するには、こうするしかないの。

私は起き上がると、自分の部屋を出た。

廊下を左側に行くと、開けた場所が見えてくる。

そこが、神殿と呼ばれる場所だ。


改めて来ると、立派なお社だ。

私のおじい様が生まれる前からあるお社だと聞く。

全然、古びていない。

お母様の話だと、水神様が住んでいるから、このお社は寂びないのだと言っていた。


「ううん。そんな話は、どうでもいい。」

早く、るか様が起きる前に、祠を探さなければ。