お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚

「俺は何にもしてないよ」

その時、玲子が僕の袖を引っ張って「光、違うの、慶くんは悪くないから、私がちょっと泣き虫なだけ、大丈夫よ、光と一緒で幸せよ」

「玲子」

「お二人さん、熱いね」

「からかうんじゃねえよ」

慶はしばらくして「また来るよ」と言って帰った。

玲子の様子が気になったが、少し見守る事にした。

それから、玲子は部屋の中を一人で動き回るようになった。

以前は僕の存在を確かめるように、どこかに触れていないと心配みたいで、一人で動き回らなかったのに。

僕はハッと気づいた。

慶の存在か?

あいつの純粋な、子供みたいな気持ちが、玲子の凍りついた心を溶かしていったって事なのか。

完敗だった。
僕は玲子に聞いてみた。

「玲子、僕に対して不安があったのか、それならごめん、僕は……」

「光、私の方こそごめんなさい、光の気持ちに気づけなくて、わかっていたはずなのに、忘れていたみたい、慶くんの話を聞いて思い出したの」

「慶とどんな話をしたんだ」