「どうしたんだ、玲子、ここは僕と玲子が住んでいたマンションだよ」
「光と一緒に住んでいたマンション?」
「そうだよ、一緒に入ろう」
僕は玲子と手を繋いで一緒に部屋に入った。
今の玲子は僕を頼り切ってくれている。
その行動、一つ一つが可愛くて仕方がない。
これから先、大変な事はたくさんあるだろう。
しかし、二人で生きていければ僕は幸せだった。
着替えを用意して準備をしていた。
リビングにいた玲子が僕の名前を呼んだ。
「光、光」
「どうした、玲子、僕はちゃんとここにいるよ」
玲子は気持ちが不安定になると、一人でいる事に恐怖を感じる。
そして、それがいやな記憶に直結してしまうのだ。
「ギュッとして、光」
「わかった、玲子、ぎゅっ」
まるで子供に返ってしまったような言動や振る舞いに、ちょっと戸惑った時もあったが、
僕は精神疾患について日夜勉強した。
個人差があるため、とても難しいのが本音だ。
僕はしばらく大学病院の勤務を休む事にした。



