お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚

「玲子は優しいんだな、僕達の幸せのために慶には犠牲になってもらおう」

「また、そんな言い方して、頭下げるんでしょ」

僕は玲子に見透かされたと照れ笑いをした。

確かに慶に改めて聞いた事はなかった。

慶がやりたい事はなんだろう。

五歳の時の初恋の相手、葉村美鈴との結婚だったとは、この時は予想もつかなかった。

僕は次の日、慶に会いに行った。

「慶、頼みがある」

「兄貴、なんだよ、改まって、気持ち悪いな」

「戸倉建設をお前が継いでくれ、頼む」

「なんだよ、今更、兄貴が医者になりたいって、大学医学部に奨学金を借りて行った時からわかってた事だよ」

「そうなんだが、具体的になりそう、いや絶対にそうなるようにするから、頼んだぞ」

僕は慶に頭を下げた。

玲子の旦那は以前から玲子に惹かれていた。

もちろん都築総合病院の次期医院長の立場も狙っていたが、玲子を自分のものにするのが狙いだった。

異常なくらいの独占欲が強く、玲子が契約上の妻だけでは我慢出来なかった。