そして身体が拒否反応を示して、慶さんを拒絶していた。

でも、昨夜は美香との事、そして真莉さんとの事があって、ヤキモチを焼いた。

絶対に慶さんを取られたくないと強く思った。

だから、慶さんの名前を必要以上に口にして、嫌な記憶が甦らないようにした。

でも一瞬表情を歪ませてしまった。

我慢しないと、もし離婚されたら父の会社は倒産してしまう。

我慢、違う、気持ちは慶さんを求めているのに、身体は拒否反応をしてしまう。

私は自分の気持ちと慶さんの妻の責任の狭間で苦しんでいた。

「美鈴、ただいま」

「お帰りなさい」

「着替えて、シャワー浴びてくるから、飯頼むな」

「はい」

俺はすぐにでも美鈴を抱きしめたい気持ちを封印した。

美鈴に嫌われたくない。

「今日は疲れた、寝室別に頼む」

「わかりました」

俺は美鈴とベッドを共にして我慢出来るとは思えなかった。

それに美鈴もきっとほっとしているだろうと勝手に思い込んでいた。