キャンプファイヤーが終わり、部屋に戻ろうと歩いていると
 少し気掛かりなのは、ジャズ。
 ジャズとはあれ以来話していない。
 雨が降って来た。急いで戻らないと
「あ……」
「……」
 ジャズと会ってしまった。
「今日は雨だね。僕の心みたい」
「え?」
 確かに今日は雨。
 だけど、なんでジャズの心まで。
 もしかしたらこの前かな。
 ジャズの本音はなんだろう。
 わからない。
「率直に言えば、僕は里奈のことが好きだ。だけど、あの時わかった里奈が本当に好きなのは、あの彼氏だね。残念」
 ジャズは、悲しそうな顔をする。
「ごめん、本当にごめんなさい。私は、ジャズと友達でいたい」
「うん。ありがとう。悔しかったけど、後悔はしていないよ」
 そう言ってジャズは行ってしまった。
「ありがとう……ジャズ」
 私は自然と言葉が零れた。