すずちゃんと寮の敷地内にある公園に来ていた。
「里奈ちゃん、──……」
「あ、私のこと里奈でいいから、すずって呼んでいい?」
「うん!もちろん!」
 嬉しいな。久しぶりに友達と居られる。
「あ、ごめん。話さえぎっちゃったね」
「ううん!大丈夫。里奈に質問したいんだけど……」
「なに?」
「えっとね。プリンスって呼ばれてる人いるじゃん?」
 ここでもプリンスか。
「うん」
「里奈はプリンスのことどう思ってる?そんな、東堂君のことを悪く思ってるとかじゃなくてね!みんなは東堂君に夢中になってるけど、私、そんな興味なくって。私、変なのかなって……」
 すずも私と同じなのか。
「変じゃないと思うよ?だって私も同じだからね」
「え?」
「私も同じであんまり興味ないんだ。だけど、悪い人ってことでもないから、普通に接してるよ。でも、クラスの子みたいには叫んだりしないよ」
「え?ウソでしょ?」
 すずは、信じていない様子。
「本当だよ?」
「そっか。ちょっと安心した。私だけじゃなくて同じ気持ちの人がいるって思うと、嬉しいの」
 すずと私は同じ気持ちだったんだ。
「すず、これからよろしくね!」
 笑顔で言った。
「うん!」
「じゃあ、寮に戻ろっ!」
 私とすずは寮に戻り、就寝した。