私と蓮は遅刻して先生に怒られてしまった。
「えー……学級委員、前に来い」
 先生に言われ、学級委員の子が出てきた。
「もう少しで修学旅行なんで、色々と計画を立てます」
 そう言われた瞬間
「うぉぉぉぉ!!」
 めちゃくちゃ盛り上がっている。
 休み時間になった。この時間では、決めきれなかったので、修学旅行の計画を立てる時間が増えた。
 ラッキーな事だ。
「修学旅行楽しみだねー!」
「うん!」
 クラスの子。いや、学年の子が口をそろえて言った。
 当たり前か。一年の中でとっても楽しみなことか。
 私たちは、京都に行く。
 修学旅行のことで話を持ち切りにしていた。
 私はすずとクラスの子で話していた。
「……話変わるけどいい?」
「いいよー!なになに?」
 なんの話だろう?
「なんか、五組に転校生が来たらしくて……めっちゃイケメンなの!」
 修学旅行の話から、急に変わったが。
「マジで⁉見に行こ!」
 皆、大騒ぎ。
 でも、それも青春の一つ。
「あ、あの子!」
 クラスの子が指をさしていた子は、白髪で青い目をしていた。
「あやかし……?」
「うん、猫のあやかしだったと思う。で、アメリカにいたらしい。だから、あんまり日本語喋れないって」
「いつも思うけど、この学園転校生多い」
「「ね」」
 皆、同時に言った。それほど共感できるのかも。
「こういう時こそ里奈の出番じゃん!」
 すずが言った。
「え?なんで私?」
「だって、里奈、アメリカにいたんでしょ?」
 私は、生まれはアメリカで小学校三年生までアメリカにいた。だから、英語の会話も多少はわかる。
「まあ、そうなんだけどさー……他にも英語得意な子はいるでしょ?」
 私が聞くと一斉に皆、首を横に振った。
「英語はマジで無理……」
「あー……マジか」
「じゃあ、話しかけてみてよ!」
「なに言えばいいの?」
「なんか、自己紹介的なの聞いてきてー!ウチらが言ってたって言ってね」
「いいよ。聞いてくる。私の練習も含めて……」
 私は、転校生のところへ行った。
 緊張する。
「こんにちは、突然ごめんね。お名前とか聞いてもいい?あの子達が聞いてって言ってて……」
 私はすずとクラスの子たちに視線を送った。
「……僕の名前はジャズだ。あの子達は君の友達?よろしくね」
 ジャズ……後で伝えよう。
「よろしくね。じゃあ、またね」
 そして、私はすずたちの下に帰って来た。
「はぁ~。久しぶりに英会話した」
「私たち、ホントになに言ってるかわからなかった……あ、名前聞けた?」
「うん。あの人の名前はジャズだって……」
 私は英会話のレッスンができた。なんだかんだ一石二鳥。