寮で、すずと話していると。
「ねぇ、里奈は東堂君と秋川さんって子どんな間柄だと思う?なんか、距離近くない?」
「幼馴染みって言ってた」
「東堂君が?」
「うん」
 私はカフェテリアで紅茶を飲み休憩していると。
 秋川さんがちょこんと現れた。
「ねぇ、少しいい?」
「う、うん」
 私は公園に連れてこられた。
「……ねぇ、あなた。蓮のカノジョ?」
「そうだよ」
 秋川さんは悔しそうな顔をした。
「あたしの方が……あたしの方が蓮のこと好きだもん!」
 秋川さんの顔は本気だ。
「あたしと蓮は、幼稚園の時から一緒なの。皆、あたしが魔女ってこと信じてくれなくて……でも、その子たちから守ってくれたのが蓮なの。蓮はカッコイイの!だから、あたしはずっと蓮のことが大好きなの!あんただけには、絶対に譲れない!」
 秋川さんの気持ちは十分伝わってきた。
「秋川さんの気持ちは分かった。だけど……私は、東堂君のことが好きなの」
「あっそっ!あたし諦めないからね……!」
 私だって、諦めない。
 だけど……なんとなく申し訳ない気持ちが心を渦巻く。
 そんなこと考えてたら、諦めないって決めたのウソになる。