「すみません」
レジで作業をしていた春花は声をかけられ顔を上げた。
「はい、いらっしゃいませ」
「以前、店の前で人が刺される事件がありましたよね。そのことについて少しお伺いしたいのですが」
「えっと……」
戸惑う春花に名刺が差し出される。
ぱっと目を走らせると、有名な雑誌社の名前が印刷されていた。
「桐谷静の恋人と元彼がトラブルになったことを調べています」
ドキンと心臓が嫌な音を立てる。
この記者の目的は何だろうか。
春花が何も言えないでいると横からすっと葉月が割り込んでくる。
「お客様、そういったご用件は店長である私がお受けいたしますので、従業員に聞き込みするのはやめて頂けますか?うちも商売なので他のお客様に迷惑になる行為はやめていただきたいんですよぉ」
「ああ、これは失礼しました。では店長さんにお話を伺っても?」
「ええ、どうぞ。ではこちらに」
葉月はスムーズに人気のないレッスン室の方へ誘導する。
ドキドキと動悸が激しくなる春花は一度大きく深呼吸して落ち着けてから、こっそりと聞き耳を立てた。
レジで作業をしていた春花は声をかけられ顔を上げた。
「はい、いらっしゃいませ」
「以前、店の前で人が刺される事件がありましたよね。そのことについて少しお伺いしたいのですが」
「えっと……」
戸惑う春花に名刺が差し出される。
ぱっと目を走らせると、有名な雑誌社の名前が印刷されていた。
「桐谷静の恋人と元彼がトラブルになったことを調べています」
ドキンと心臓が嫌な音を立てる。
この記者の目的は何だろうか。
春花が何も言えないでいると横からすっと葉月が割り込んでくる。
「お客様、そういったご用件は店長である私がお受けいたしますので、従業員に聞き込みするのはやめて頂けますか?うちも商売なので他のお客様に迷惑になる行為はやめていただきたいんですよぉ」
「ああ、これは失礼しました。では店長さんにお話を伺っても?」
「ええ、どうぞ。ではこちらに」
葉月はスムーズに人気のないレッスン室の方へ誘導する。
ドキドキと動悸が激しくなる春花は一度大きく深呼吸して落ち着けてから、こっそりと聞き耳を立てた。