「ぎゃーー!」
「出たぞ!」
「誰か、助けて下され!」
月夜に人々の悲鳴が響く。しかし、直ぐにその悲鳴も消える。
「やれやれ、煩いな、人間は。」
深夜の村に灯りがあるわけもなく、ただ正体のわからない暗い人影が騒ぐ人を億劫そうに斬りつける。
もう、4、5人の息の根を止めただろう。満足したのか暗闇へ消えていく。
月明かりに照らされた人影は僧のような格好をしていた。
「今宵も月が光っておるな。」
村から消えたのと同時に死んだ人々は跡形もなく消えていた。